のぞみのデュアルライフ(2拠点暮らしと養生方法)

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ 

実家の片づけ 和服編

f:id:nozosan-net:20160920141849j:plain母は着物が好きで自分で着付けもできたので、いっとき和服を次々買い漁っていました。茶道・華道を習っていたのもありますし、昭和だと訪問着と留袖ぐらいは持ってないと恥ずかしいぐらいの感覚でしたから。車で30分ほどの距離に呉服屋さんもあったので、私も同行したことがあります。「今日の買い物パパには黙っててね」と口止めされたこともありました。まぁ仕事をして収入があったので別に自由なんですが、ストレス発散が買い物というのは、のちのち私がこんなに消耗する原因になろうとは当時は知る由もありません。

 

実家の一階和室は昔寝室にしていて、私も川の字で寝ていました。道路側であまり安眠できず、両親は増築した和室に移り私は二階の自室で生活するようになりました。一階和室は六畳の畳敷きに小さな床の間、作り付けクローゼットが二つと押入れと物入れ、障子の先には洗濯物を干せる小さなサンルーム、その先のサッシを開けると濡れ縁がありお月見や夕涼みができるはずでした。収納スペースは充分すぎるほどあります。寝具も衣類も一人の人の一年分すべて収納できる容量です。

 

しかし数年ぶりで目にしたその部屋は、何か月も窓すら開けてない澱んだ空間に、使わなくなったダイニングセットやカラーボックス、脚立や中途半端な食器棚、和箪笥などなどがひしめき合う魔窟でした。父は「片づけた」と言いますがどこが?荷物を右から左に移動させただけじゃないか!!怒りを通り越し呆れた感情でいっぱいになりました。「処分する」「役割を終えたものを手放す」ことができないからこういう結果になったのです。「いつか使うかも」「何かのために」「高かった」のマジックワードを並べていたらあっという間にゴミ屋敷が完成します。

 

処分するにも今はお金がかかります。捨てることまで考えずにどんどん買っては溜め込んだ不用品の山は、分別するだけでも道のりが長そうです。不燃物として出そうにも45㍑の指定袋に入るサイズのものはほぼありません。出し方も自治体ごとに決まりがあり、私は実家自治体のルールを知りませんでした。家具は解体すればOKなのか?分別しても回収してもらえるかどうか確認しないといけません。やみくもに取り掛かってもまた父が元に戻しそうです。一度にやってしまうのは無理なのはわかったので、まずは袋に入るものをどんどん放り込んで、週一の木曜日だけの不燃物回収に出しました。小物はいくら捨てても部屋の景色は変わりません。

 

次に和箪笥の中身をやっつけることにしました。私は着物の価値などわかりません。母と体系はほぼ同じですが、私は腕が長く袖がつんつるてんです。少し肩を出せば着れるとアドバイスされても、そこまでして着たいとは思いません。ラッキーなことに近所の親戚が貸し衣装屋さんをしてるので、そこの伯母に仕分けをしてもらう約束を取り付けました。実は衣替えのところでも書いた、北向きの四畳半の奥にも和箪笥がもう一棹ありました。ぎっしり詰まっているようですが、何年も開けた様子がありません。当然虫干しもしてない、防虫剤も入れてない、それでこの薄暗い換気もしてない部屋の片隅でどんな状態になっているか。パンドラの箱を開けるようです。

 

10月のある晴れた日、その日が快晴であろうとふんで前々から約束していた貸し衣装屋さんの伯母が実家に来てくれました。私はその日に合わせて帰省していました。和室の鴨井のかど同士にロープを渡して衣文掛けを何本か掛けます。10年ぐらいは開けてないだろう和箪笥の断捨離が始まりました。