遠距離介護とゴミ屋敷問題

不仲な親の介護と実家のゴミ屋敷化に悩む皆さんへ

多職種連携の在宅医療

f:id:nozosan-net:20161002155741j:plain私のふるさと宮城県登米市に「やまと在宅診療所」という在宅訪問専門クリニックと併設のカフェ「coFFee doctors」があります。東日本大震災で災害医療ボランティアで現地入りして医療活動をされていた、元東大病院の田上佑輔ドクターが率いる医療チームです。

 

ほぼ田畑しかないのどかな農村は母の生まれ故郷でもあり、私にとっても特別な場所です。市町村合併で大きな市になりましたが、医療機関の不足もあり車を持たない高齢者にとってはむしろ不便になったのかもしれません。

 

そんな折り、仙台よりずっと北部のこの町に最先端の在宅医療専門クリニックがオープンしました。併設カフェもありそこは一般の方がランチやお茶を楽しむこともでき、介護用品の見本会や地域の介護職、薬剤師さん、看護師さん、理学療法士さんなどなど交えた多職種連携勉強会なども行われています。

 

いつか行ってみたいなぁ・・・介護帰省中は日々ゴミ屋敷片付けや、ケアマネさんとの面談、通院付き添いや食事の支度などで滞在中になかなか時間を取れません。今の家からはけっこう距離もあり、出掛けたら母のデイサービス戻りに間に合わなそうです。

 

しかし、ある日田上ドクターに取材をした漫画「うちのセンセイ」のトークイベントが池袋のジュンク堂で行われるのを知り早速申し込みました。真冬の寒い日の夜、少し早めに着いて店内をウロウロしていると、イベントフロアの書棚で本を選んでいる長身のイケメンを見つけました。「間違いない!」確信した私は思い切って近づきます。

 

「田上先生ですか?」するとイケメンが「はい、そうです。前お会いしてましたか?」「いえ、初めてですがメッセージはさせて戴いておりました。登米市が母の故郷で遠距離介護で毎月通っております。写真と同じですねぇ~」

 

などと数分の雑談にお付き合い戴きました。その後、漫画家さんと田上ドクターの在宅医療トークセッションと質疑応答が始まりました。これまでは縦割りだったやり方を様々な医療専門職が連携しながら一人の患者さんに寄り添い最新のIT技術を使った管理方式でやっている、ドクターは板橋区のやまと在宅診療所とのあいだを週一往復してウェブメディアcoFFee doctorsの編集長もされている、月にお看取りする患者さんは3~4人ぐらい・・・など常に深刻な現場におられる様子がわかりました。

 

私の隣は訪問介護職の若い男性で、熱心にメモを取りながら聞いていました。官僚上がりのようなおっさんは何度も挙手して「私は役人だからどこへでも行けといわれたら行きますけど、先生もう大学に戻れないんじゃないですか?」「ご自身をゴッドハンドだと思いますか?」など散々空気を壊す質問をしていました。

 

散会し漫画本を大人買いし漫画家さんにサインを戴き、ドクターに「雪が溶けたらカフェに伺います!」とお伝えして帰宅しましたが、なかなか雪は溶けずやっぱり時間も取れずにいましたが、この五月ついに訪問できました。

 

帰省の帰りみち、仙台駅から登米行きの高速バスに乗りそこからタクシーでカフェに着きコーヒーとケーキを戴きました。ランチ後の年配女性3人組と地域のお話しをしながら、すっかり変わってしまった登米市の様子に驚きました。でもなんだか空気感とか人の感じとか昔ながらの田舎のいい雰囲気に安心しました。

 

カフェのマスターやスタッフ女性ともお喋りし、私が「やまと在宅診療所」の敷地内の登米市民病院(旧佐沼病院)で生まれたことや、母の遠距離介護のお話をしました。なんだかみんな親戚みたいに感じて(笑)昔住んでいた借家に行けば知り合いに会えるかな?とか今日は母の弟夫婦の家に泊まろうかな?なんて思いを巡らせたけれど、もう知り合いもいないし、母の弟も認知症だから迷惑かかるし、どれもこれも現実的ではありませんでした。

 

夕方になったので最寄りのくりこま高原駅から新幹線に乗り帰路につきました。わずかなタイムトラベルでしたが胸いっぱいで、自分の原風景に出会えた初夏の夕暮れでした。

http://tomeyamato-clinic.org/coffeedoctors/