急性心筋梗塞を起こし、ICUから一般病棟へ移った経営者は一命を取り留め自宅療養することになりました。
お見舞いに行ったとき、カテーテル手術を担当したドクターが病状説明してくださるタイミングだったので、なぜか一緒に聞く流れになりました。
素早い処置が功を奏したおかげで経過は良好、日常に気をつければ以前の生活に戻れるとの見解でした。
ドクターは終始穏やかな口ぶりで、患者様に安心を与える雰囲気でした。しかし私には半笑いに見えてしまったのは先入観からでしょうか。
緊急搬送されたときに付き添ってきた女性、親族に連絡を取るよう依頼したときに駆けつけた元妻、病状説明に同席した私。
さまざまな事情を抱える患者様を多く見てはいるでしょうけれど、なんだか複雑そうな人だと思われていたのかもしれません。
さて、この出来事から私が学んだこと。説明できない関係性は人それぞれで、その後の対応もその人次第なので、これは言及しません。
それよりも心筋梗塞の前触れについてです。その経営者に聞いてみたところ、少し前からなんとなく胸の苦しさを自覚していたとのこと。
飲みに行った先で気分が悪くなり、座敷で少し横になっているとおさまるということが何度もあったそうです。重大なシグナルを見落としていました。
健康面を気遣ってくれる配偶者がいませんでした。高齢の両親をいずれ自分がみなければならない自覚もあり、経営者でもあり、かなりなストレスだったのでしょう。
心と身体は繋がっています。いつも顔色が赤かったのも気になっていました。
介護は年齢順とも限りません。経営者のお母様は食事指導を受けて手作り弁当を持たせるようになりました。
何度かこっそり処分してくれと頼まれたことがあります。
いずれにせよ、健康面を無視した生活だと思いがけない形で周囲に影響を及ぼしてしまいます。少しだけ身体の声に耳を傾けたいものです。