弥生人はなにを食べていたのか。大田区久ヶ原遺跡から出土した土器についた植物を調べる講座に参加しました。
一口に土器といっても花瓶のような壺、口の広いかめ、お椀のような鉢の三種類だそうです。
遺跡 土器 埴輪という古代の大好物は見てるだけでわくわくします。学芸員になりたかったのは発掘作業がしたいのではなく、綺麗に修復されたものを見るのが好きなのだと気づき、興味のあるものは見に行くようにしています。
型に樹脂を注いで、サンプルに埋め込まれた穀物がなんの種類か当てる練習をしてから、本物の土器で同じ作業をします。壊したら大変です。
慎重に樹脂の材料を混ぜ合わせて素早く注射器に入れて、種子が入り込んだ窪み(圧痕)に注入します。土器の製造過程で回りに落ちていた種や実、虫などが偶然または意図的に入り込んでしまったことで、当時の食べ物がわかるということです。
この作業で大豆やあずき、ゴマは縄文時代から、稲や麦は弥生時代から食べられていたとわかったそうです。歯医者さんで型取りに使う樹脂がこういう場でも使われるとは驚きです。そういえばネイルサロンでも花をデコレーションする時に使っていると聞きました。
初めての作業は説明を聞いても飲み込めずにいたら早稲田大学の学生さんや、博物館「友の会」の皆さんが優しくサポートしてくれました。
そして大田区立郷土博物館には圧痕部という活動があるそうで、埃だらけの土器から種子が埋まっていそうなものを洗って、樹脂で型取りしての地味な作業を繰り返したり、土器を焼いたりしているそうです。
夏には土器を作って焼くワークショップを企画しているらしく、古代への情熱がちょっと疼きました。