友人曰く私の好き加減は心中したいレベルなそうです。
お相手の山崎富栄さんを羨ましく思ったこともあります。金木のご実家に伺ったこともあります。桜桃忌、三鷹の禅林寺にお参りもした墓マイラーです。
去年はお嬢様の津島佑子さんも亡くなり、斜陽も遠くなりにけりの心境です。
太宰がわずかな期間暮らした船橋で朗読会がありました。小説に出てくる夾竹桃が移植された中央公民館の近くでした。
元アナウンサーの女性がピアノ演奏に合わせて、短編小説の中のいくつかを朗読してくれました。
太宰特有の気恥ずかしくなるような細かい心理描写を丁寧に表現していきます。ピアノ奏者さんは津軽のご出身で、太宰の実家である津島家の遠縁に当たる方なのだそうです。
こっそり読みたい内容の小説を大勢の前で朗読したらどうなるのかしら?と勝手に心配していましたが、杞憂に終わりました。
心中相手の女性だけ死なせてしまい、薬に溺れ、文士徴用され、悪さしようにも育ちの良さが邪魔し、志賀直哉に喧嘩をふっかけ、兄に除籍され、女性の心情をありえないほど細密に表現する彼の作品で一番好きなのは「皮膚と心」です。悶絶もの。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/267_34632.html