吉本隆明氏の全集を出版している晶文社さんのイベントに参加しました。
特に司会進行もなく糸井重里さんと、吉本氏の長女さんの気楽なお喋りという感じでした。
マイクの調子が悪く糸井さんが客席に直接どう聞こえるか訊ねて調整する一幕もあり、スタッフの手際の悪さを責めるでもなく上手く仕切るあたり、さすが大人の振る舞いでした。来年古希だそうで驚きです。
よくお宅に出入りしていた糸井さんが吉本氏の家庭での様子など、飽きさせないお喋りで時間が過ぎていきました。
私は晩年の様子をたまたまドキュメンタリー番組に仕上げているのを見て、廊下を這って移動しながら猫を可愛がり糸井さんとお喋りする姿を覚えています。
週刊プレイボーイの連載をまとめた悪人正機での糸井さんとの対談が、禅問答のようで笑えたのも記憶に新しいです。
意外に金銭と女性に弱く「頓着しない」という雰囲気を出していたそうで、死後そんな話を暴露されるなんて草葉の陰で笑ってそうですが。
糸井さんは浅知恵かな?器用すぎるかな?と思う時に相談に行くと、明快な答えをくれたと回想されていました。
最後に糸井さんは「これを若い時に知っていればもう少し楽だった」というので本当に嫌な事はしなくていいようにできてるという言葉をかけてくれました。