昨年母の弟が亡くなりました。母のきょうだいは全員アルツハイマー型認知症を発症していて、いま集まったとしてももうお互いのことがわかりません。
弟の葬儀に母は出席できなかったので、弟のお嫁さんと娘が家に来てくれました。
それぞれの近況報告をして、しばしお喋りをしたあと二人は帰っていきました。
その日、私は不在だったので後日電話を入れると昔と変わらない叔母の声が聞こえました。
母の弟は66歳でアルツハイマー型認知症を発症して、久しぶりに会った私のことがわからなくなっていました。自分の育った家のトイレの場所もわかりませんでした。
田舎なのでそうなったらなったで仕方ないという風潮が強く、前向きな治療など特にすることもなく症状は進んでいきました。
新年早々、生垣を全部刈り込んでしまったり、県北部の町から仙台市内まで勝手に運転していったこともありました。
ずっと監視しているわけにもいかず、施設に通うなどさせなければ何かしていても家族は気づけません。
時折りそんな話題を聞いても私自身が遠距離介護でクタクタで、叔父のことを気にかけるゆとりはありませんでした。
どんな相手ともその時が最後と思わず、お互いに明日がくると思って「また今度ね」と挨拶しますが、明日は来ないかもしれません。
最近そんなことが立て続けに起きて、今日この人と会ったらもう次はないかもしれないと思うようになりました。