介護する・されるうえで上手くいかないのは、たいがい当事者たちの意識やこだわりが原因になっているケースが多いと感じます。
私自身の経験からですが思い込みに囚われて前に進めなくなっていました。
損をしたくないとか恥をかきたくないという意識がものごとを厄介にさせます。
簡単にいうとつまらないプライド。
以前と状況が変わったんだから変わったなりの対応をすればいいだけなのに、なかなかできないものです。
事実と感情がないまぜになってしまうからだと思います。
かくいう私だって、あれほどしっかりしていた母がおかしくなるなど受け入れ難かったものです。
しばらくはどうすればよいかわからず、周囲に話しても共感を得られなくて長い間苦しかったのは事実です。
私が事実を受け入れているのに父は相変わらず母を元のしっかりした、自分にとって都合のよい人に戻そうと必死だったのでどんどん心が冷えていきました。
この人なにやってるんだろう。もう治らない病気だと診断されたのになんで抗おうとしてるの?
相手のためじゃなく自分の都合のために介護している。父自身ですら気づかない無意識の意識や意図を私は見抜いていました。
嫌ないいかたをすれば自分の立場優先の介護。
ひとことでいえばそんな感じでした。