以前にも書きましたが、認知症患者さんは自分の不調や不快をうまく言葉にできないので、こと口腔衛生に関しては雰囲気で察するよりないのです。
去年、父と2人がかりで母を総入れ歯にするのに立ち会ってすぐ父は他界しました。
父の最後のお仕事が母の歯科付き添いでした。
新しい義歯は訪問歯科医が微調整をしてくれて、施設には専門の口腔ケアの職員もいて安心していました。
しかし数日前、母の下の義歯がなくなったと連絡がありました。
私は千葉の自宅に戻ったばかりでヘトヘトに疲れていました。
可能性としては収集癖のある別ユニットの利用者さんが持ち出したか、よく舌でいたずらして外してしまう母なのでトイレに流してしまったか見つからないとのことでした。
最悪、下の義歯がなくてもムース食なので食べることはできます。しかし歯がないと見た目に問題が出てきます。
いつもの訪問歯科医に連絡して新しく作るよう手配してもらいました。
別のデイサービスに通っていた頃から受診していたからこそ、このような緊急時に助かります。
今後の型取りや調整などすべてに付き添いできないので口腔ケアの専門職員に託すことにしました。
やはり頻繁に訪問歯科医や歯科衛生士さん、施設スタッフさんに会っていてよかったと思いました。
あまり面会にも来ない家族によくない情報を伝えるのはスタッフさんも気が重いだろうと想像します。
私は毎月面会し、職員さんとよくお喋りし私の状況や母が寒がりゆえ送風口の下に座らせないでほしいとか、首まわりは必ずスカーフを巻いて就寝時はバスタオルで肩までくるんでほしいなど具体的な要望をお話ししてきました。
利用者さんの家族の顔が見えるってとても大切なことだと思います。