自分の手持ち時間があとどのぐらいあるのか誰にもわかりません。普通に考えて平均寿命までと考えるなら、私の場合あと30年はあります。しかしその30年も後半の10年は老化やなんらかの病などで介護や闘病という形になるかもしれません。
今の過ごし方やものの考え方がキーになるでしょう。自由に動けるのが残り20年としたら案外短いものです。20年前の我が身を振り返れば、さしたる昔と感じないから不思議なものです。
介護と片付けの話ばかり書いてますが、私自身どんな人で何に興味があるのか少しずつ綴っていきたいと思います。
毎年暮れになるとテレビで忠臣蔵のドラマが放映されます。私も内容はざっくりしかわかりませんが、上司に忠誠を誓った部下達の己の命をも顧みない実話と認識しています。
吉良上野介は森繁久彌で、大石内蔵助は里見浩太朗が定番だったように記憶しています。四十七士のお墓が泉岳寺にあることはうっすら知っていましたが、行ったことはありませんでした。その気になりさえすれば行ける場所に興味の対象があるなら行ってみよう!が信条です。
それはやはり母が認知症になり遠距離介護に通うようになって、私自身の自由時間に制約がでてきたからにほかなりません。制限がかかると急にいろいろしなければ!と焦ってしまう例のアレですね。
数年前NHK教育テレビで毎日5分の漢詩紀行という番組があり、自動録画していました。撮り溜めておいて気が向いたとき見ようと考えていました。俳優の加藤剛さんの上品でゆっくりなナレーションで、一度は聞いたことのある有名な作品や詠み人知らずの作品まで毎日一つずつ紹介していきます。
高校時代の漢文の授業は返り点とかなんとかルールばかりでつまらない、でも古代人も現代人も感情は同じなんだな・・・なんて思っていましたが、年齢を重ねてちょっと学んでみたい気持ちが膨らんできました。
たまたま検索で例の泉岳寺の学寮講座の中に漢詩講座があることがわかりました。もうこれは行くしかありません。
受講料無料しかも赤穂浪士のお墓参りもできる、一挙両得?です。
日本橋で都営浅草線に乗り換え泉岳寺駅で降りるとすぐ目の前です。都心の一等地なので境内は広くはなく、入り口に大石内蔵助像が立っています。いつかテレビで見たとおり、門前の屋根の天井に青龍が貼りついていました。
門の真下に行かないと見れないので、案外知らない人が多いかもしれません。「縁起よさげ」と思い撮影してインスタグラムにアップしました。僅かな距離の参道ともいえないような小路に3軒ほどの売店が軒をつらね、赤穂名物の塩まんじゅうなどが売られていました。
「古文書勉強会を二階でやってます」と書かれた張り紙を見つけ気になったので店主に詳細を訊ねると、かなり勉強した人達のグループなので初心者にはお勧めしませんよとあっさり振られてしまいました。
きっと古文書愛好家たちの大切なコミュニティなんだろうな・・・などと思いながら、かなり早めに到着したので境内を少し散策しながら講座が始まるのを待つことにしました。