今のところ認知症に特効薬はなく、進行を緩やかにするものしかありません。人によって安定剤をプラスする場合もありますが、薬ばかりに頼るのもどうかと思います。
進行を緩やかにするとは、もし飲んでなければもっと進んでいるのを防いでいるという認識でしょうか。こればかりは試せないのでわかりません。
4年ほど前母の徘徊が始まった頃、テレビや雑誌の特集で認知症に効果のある漢方薬が話題になりました。抑肝散です。肝の高ぶりを抑えるというので、私も早速母の主治医に父経由でお願いして処方してもらいました。
飲み始めて二週間ほどで、母はとても穏やかになり落ち着いていると連絡を受けました。しかし、そこから一カ月もしないうちにソワソワ徘徊するようになったのです。
これはおかしい・・・思い切って服用をやめるよう父に伝えやめてみましたが、周辺症状といわれる徘徊はどんどん酷くなりました。
私がなにかスイッチを入れてしまったのだろうか?それがどうして間違いだったのか、果たして薬に関係なく初期から中期に移行しつつある症状のタイミングと重なっただけなのか、わかりませんでした。
後で地元の保健師さんや社会福祉士さんとの雑談で「レビー小体型認知症」にしか効果がないらしいとわかりました。知らないことだらけです。
そして何より漢方薬の処方には充分なカウンセリングや問診、舌診、望診、触診を経て体質である証(しょう)を診断しないと、同じ主訴でも処方されるお薬の種類が異なるのだと初めてわかったのでした。
その後、自分自身の身体の不調で漢方薬局のお世話になり、そこから漢方スクールに通うきっかけにもなった出来事でした。