私の父もそうでしたが、配偶者が認知症などで介護が始まるとすべてを自分でやろうとします。
そもそも人に頼るということを知りません。そして要介護者を抱えていることを周囲に知られずに、一人でどうにかしようとします。
無理です。
ウチの場合はご近所はおろか、父のきょうだいにも長い間打ち明けられませんでした。無駄なプライドが邪魔をしていました。
認知症は今のところ元に戻る病ではなく、進行のスピードを遅らせることしかできません。
「治らない」=絶望的
だから打ち明けられない。という心境でしょうか。
実は一般的に身内に認知症の人がいないと、どんな病気なのか理解しにくいようです。聞いたことはある、高速道路を逆走したり、徘徊で行方不明になったりする病気と思われているかもしれません。
確かにそういう人もいます。でも全員ではありません。
人によって、進行具合によって症状は異なるので、手助けの範囲も方法もみんな違うのです。
なので今の段階でどんなふうに困っているのか説明するしかできません。でも男性ケアラーは知られるのが恥ずかしいと思いがちで、具体的な様子を話したがりません。
一人でやれるうちはいいのですが、他人の手を借りないとどうにもならないことが起きるようになります。
自分の体調が悪い。被介護者の暴言や暴力でメンタルを病む。早めのヘルプサインを出さないと新聞沙汰になります。
周囲の世話焼き女性を思い切って頼ったら、案外楽になれるかもしれません。お世話するほうも実践で学べるのです。これぞシナジー。
プライベートを晒したくないなどの気持ちは重々理解できますが、一人では必ずお手上げになる日がきます。
状況変化は考え方を変えるチャンスと捉えてみてはどうでしょうか。