4月のある日、いつも17時過ぎに必ずメールをくれる父から連絡がありませんでした。
高齢者の場合、便りのないのは悪い便りなので出先から電話しました。すると「あれ、忘れてたかな?」みたいな反応ですぐ送ってくれました。
二週間後またメールがなかったので電話しました。本人曰く「送った」と言いますが受信はありません。取り急ぎ翌日帰省するので時刻の確認だけしました。その時頭がモヤモヤすると話していました。
翌日、新幹線の車内で父から着信がありました。要領を得ない内容だったので嫌な予感がしました。
いつものバス停に着くと、時間を守らないことを最も嫌う父が迎えにきていません。不安になり電話しても出ません。
一度切ってから掛け直すと「車のバッテリーが上がった」といいます。「じゃ来なくていいよ、大丈夫だから」というと「迎えにいく」と言い張り歩いてやってきました。
緑内障のほうの瞼が垂れ下がり表情がおかしく、普通じゃないなと思いました。「一度迎えに来たけど早すぎて家に戻った云々」と時系列のおかしなことをいいます。
いつもしている腕時計をしていません。
家まで一緒に歩きながら、これは私が落ち着いて状況を把握しなければ‼︎と思い、途中にある叔母の家に寄って事情を説明しました。
叔母は理解してくれて後で顔出しするよ、といってくれたので戻ると、そこで待つようにいっておいたのに父の姿がありません。
慌てて家まで走っていくと、ガレージで車をいじっています。バッテリー上がりでスライドドアが閉まらなくなっていました。
それにしても私の旅行カバンはどこへ?と訊ねるとそれどこじゃない‼︎と怒ります。
後でダイニングに置かれてあるのを発見しました。
車屋さんに連絡するとすぐ来てくれて直りました。いつも帰り道食材を買いながら帰宅するのですが、夕飯はどうするのか確認するとまた怒りだします。
あの混乱ぶりは介護疲れからくるものか体調の異変からかわかりませんでしたが、数日後すぐにMRI撮影すると小さな脳梗塞が二つ見つかりました。