今だから話せるのですが、実はものすごくショックだったんですよ。
六月に父をMRIとMRAの撮影に連れて行きました。小さな脳梗塞が発見された程度で、念のため受診とタカをくくっていたら記憶を司る海馬に萎縮が見られるとの診断が。
つまり認知症のグレーゾーンで、このまま放置すれば発症の確率が高いと。
早速シール式の貼り薬(リバスタッチ)で予防治療を始めました。
母の例を充分見てきているので、父もああなるのか‼︎という恐怖しかありませんでした。
要介護5の母の介護をしながら自分の体調も崩していく。老老介護なのでいつなんどきどうなるかわかりません。
これまでが上手く行き過ぎていたのかもしれません。
在宅にこだわるならと介護保険の限度額オーバーでしたが朝夕のヘルパーさんを契約しました。
他人を家に入れたくないなどといっている場合ではありません。そのためといってもいいほど持ち物を処分しバリアフリーにしたのですから。
ヘルパーさんたちは一人での介護では思いつかないアイデアを惜しみなく与えてくれて、父が休息する時間ができました。
介護者のほうが体調を崩すのはこういうことの積み重ねなんです。お手伝いの必要な人を優先するあまり自分を疎かにしてしまう。
私はいくつもそういう例を見てきて、母自身も長男の嫁として両方の両親の介護で消耗しきっていましたから、どこかで適当な息抜きや気晴らしをしないと長丁場には耐えられないのは予見していました。
後で聞いたら担当ケアマネのお母様もリバスタッチを使っていて経過は良好だという話でした。
そもそも75歳を過ぎたら、殆どの人に海馬の萎縮が見られて特別でもなんでもないそうです。
あのままリバスタッチを使い続けた父はどうなっていたか、もう知る由もありませんが。