九年前に母が認知症と診断された当時、医療機関が発表している情報は検索できましたが、介護者である個人が発信しているものはありませんでした。というか見つけられませんでした。
物忘れ外来のドクターとケアマネと施設のスタッフと介護者の会ぐらいしか話し相手がいません。
想像を絶する孤独。
同じような立場で話せる人はいないのかしら?
どこへ行けばそういう人がいるんだろう?
介護者の会やケアラーズカフェに出掛けても、私の望む話し相手になりそうな人はなかなか見つからなくてがっかりするばかりでした。
期待するのが間違ってる。
専門職の人も介護者もみなそれぞれ多忙で自分のことで精一杯。お話会に出掛けても一人の愚痴吐きに延々付き合わされ時間を損した気にしかならない。
そんな折り、専門知識を持つ友人に発信方法の相談をしたところ快く引き受けてくれて、アナログな私の特訓が始まりました。
友人も家族に要介護者がいて私の気持ちに共感してくれました。
なにを質問しても「わからない」といわれたことがなく、毎回介護と関係ないお喋りをしながら設定方法から社会情勢まで幅広く教わるばかりです。
あれ?私は与えられている一方かも。
ただでさえ多忙なうえに介護もあり、多くの事業を抱えるなかで私に時間を割いてくれているので教わったことは出来る限り実行する。毎日更新する。
それが教えてもらったことを無駄にしないふるまいと思っています。
そして当時の私が一番知りたかった介護者の心情を綴ることで、読んでくれた人が少しでも楽な気持ちなれればと思っているのです。
家族だけで周りに打ち明けず対応しようとすると行き詰まります。
私も長い間、周囲を頼ろうとしない父とのやりとりに辟易していました。このままだといつか手をかけてしまう。
そんな気持ちをずっと抱えていました。
深刻に捉えず気軽に相談し期待はずれでもがっかりしない。
そんな内容を綴っていけたらな、と考えています。