被介護者を見送るまでが介護と思ってきましたが、なかなかそうともいえません。
父は在宅介護の限界を自覚していたものの母を入所させるには忍びなく、それでもお世話に疲れてきたと漏らしていました。
そんな折り、父は頭がモヤモヤすると言い出しました。
ちょうど帰省する日、いつも時間をぴったり守るはずの人なのに迎えのバス停にいません。
自宅へ電話しても出なくて、なんどめかにようやく受話器を取ってバッテリーが上がったとかなんとか会話が噛み合わず、歩いて私を迎えに来ました。
途中の叔母宅へ寄って「パパの様子がおかしい」と話しているうちに、待ちかねて自宅へ先に行ってしまいました。
あとで小さな脳梗塞ができていたことや、検査でMCI(軽度認知症)の可能性があることがわかりました。
リバスタッチというシール式のお薬を貼ってアルツハイマーの発症を予防することになりました。
父の負担を減らすため朝夕通いのヘルパーさんを自費で雇い、私とも上手く連携しながら新しい介護の形を模索していました。
母の義歯が合わなくなり、訪問歯科で総入れ歯にするため毎回付き添いが始まりました。残る歯の抜歯から型取り調整まで一回では終わりません。
私も通う頻度を上げつつ対応しましたが自分の身体がおかしくなってきました。
なんか限界かも。
人から指摘されるぐらいげっそり痩せて、みぞおちがつかえて食べたくても食べられないし、なんだか悲しい未来しか見えなくなって行き詰まりを感じていたようです。
心配した友達が大きな病院で検査したら?と言ってくれて何ヶ月か前に健診したのにまた?と思いながら受診しました。
その3日後、父が突然死して母の緊急入所が決まりました。