認知症になるとこれまでできたことができなくなります。
考えなくてもできていた、転んだら手をついて起き上がる、トイレで用を足す、顔を洗って髪を梳かす、歯を磨くなど。
なぜ介助が必要かというと身体が不自由というより、身体の使い方を忘れてしまってなにをどうすればよいかわからなくなるからなのです。
これまで普通にできていたのに・・・
記憶を失う病なので、大切な思い出と共に日常生活に必要な動作までわからなくなるのです。
食事の仕方もわからないので、きちんと飲み込んだのを確認しながらスプーンやお箸でおかずを食べやすく切って口に運びます。
楽にやってそうでいても食事介助を適当にすると誤飲の恐れもあり、介護者はハラハラします。
そして食事していることを途中で忘れ、飽きて遊び出すのである程度集中した介助が必要です。
それでも小一時間ぐらいはかかっていました。
そのあと後片付けと歯磨きがあります。
認知症の人は歯の不快感や痛みを上手く言葉にできないので口腔ケアはとても大事です。
歯がきちんとしていれば咀嚼できる。誤飲・誤嚥も予防できる。栄養が身体に行き渡る。排泄もできる。
生きる上で最低限の機能が連携していく。
疎かになりがちですが、本当に大事なんですね。
初期の頃は普通の歯ブラシで磨いてあげていましたが、だんだんできなくなり電動歯ブラシを使い、オーラルケアスポンジで口内を拭き取るというように段階的に変化していきました。